猫にあげてはいけない食べものと悪影響のある植物など

猫と人間では、体内の消化酵素の種類や量が違うので、 人間にとって栄養があり身体にも良い物であっても、猫にとっては、 その命を危険にさらす猛毒になったりもします。

そして、味覚も猫と人間ではだいぶ違いますので、 人間にとっておいしいものでも、猫にとっては味すらわからないものもあります。

また、室内に置かれている観葉植物や生け花でも猫にとっては 猛毒になるものがあります。

この記事ではそんな食べものや植物についてご紹介します。

野菜やくだもの

猫は、本来は完全肉食動物ですので、野菜類はあまり必要とされませんが、 人間と暮らしている猫ちゃんの食事は多様化しています。
人間の食べ物を食べてしまうこともあるでしょう。

以下に挙げる野菜・くだもの類は、猫ちゃんにとっては毒なので気をつけてください。

ねぎ、にんにく、にら、たまねぎ、らっきょうなどのネギ類

ねぎ類（特にたまねぎ）に含まれる成分が赤血球を破壊するため、溶血性貧血、ハインツ小体性貧血を引き起こします。
体内に入った量によっては死亡に至ることもありますので、厳禁。
タマネギと一緒に煮込んだ料理やスープもタマネギのエキスが出ているので危険。
※インスタントのスープ、パウダーやフレーバー類なども注意してください。
症状：胃腸障害、貧血、衰弱、心拍数異常

アボカド

アボカドに含まれるペルジンが猫には猛毒になります。
死亡に至ることもあります。

この成分は果肉だけではなく、葉、種子、皮、樹皮にも含まれています。
食べてしまった場合身体の小さい子ほど危険度も高くなります。
症状：嘔吐、下痢、胃腸障害

レーズン・ぶどう

何が作用し、毒なのかははっきり解明はされていないのですが、
有毒であると確認されてるので、与えないでください。
症状：嘔吐、下痢、腹痛、腎不全（猫にとっては致命的な症状です）

ナッツ、キノコ、ほうれんそうなど

キノコ類、ナッツ類も何が有害かは解明されていませんが、 体調を崩すという報告があるので、与えないほうが良いでしょう。

ナッツは油分が多いので、肥満の原因にもなります。
症状：痙攣、高熱、嘔吐、無気力、硬直、肥満、糖尿病

ほうれん草は、そのアクがシュウ酸結石の原因になりますので、 与えないほうが良いです。
症状：尿路疾患

肉や魚介

肉や魚なら大丈夫と思われるでしょうが、ダメなものもあるんです。

イカ・タコ・貝類・えび・カニ・淡水魚

生の貝類や淡水魚、カニ・エビを大量に摂取すると、アノイリナーゼという成分がビタミンB1を分解するため、 ビタミンB1欠乏症になる可能性があります。
加熱すると酵素は破壊されて大丈夫になるそうですが、消化もあまりよくないので与えないほうが無難です。
症状：ふらつき、食欲低下、嘔吐、神経障害

いわし、あじ、さばなどの青魚

常食として長い期間摂取すると、青魚の不飽和脂肪酸によって、体内の脂肪が酸化して ｢黄色脂肪症｣になります。
特にビタミンＥが足りなくなると発症しやすい病気です。
不飽和脂肪酸は悪いものではないのですが、摂取しすぎないように気をつけましょう。
症状：皮膚障害（しこりが出来たりする）

レバー

レバーを食べ過ぎると、ビタミンＡが過剰に摂取されてしまい骨が変形したりします。
ひどくなると、起き上がれなくなります。
症状：起立できない、骨の変形

生の卵白

ビタミンＢ群を破壊する為に、良くありません。 加熱されていれば大丈夫です。
症状：結膜炎、皮膚炎、下痢

豚生肉

豚生肉を食べると寄生虫のトキソプラズマに感染する可能性があります。
感染しても症状のでないこともあるので怖いですね。
哺乳類の多くが感染する寄生虫ですが、猫の感染は体内でトキソプラズマが成虫になってしまうので危険。
症状：体重減少、下痢、目の異常

悪影響のある植物

ユリ・ヒヤシンス・チューリップなどの球根系植物とすずらん

すべての部分が有毒です。
花粉が体内に入っても、生けてある水を飲んでも危険。
治療法もなく、突然死の原因にもなります。もっとも危険な植物です。
症状：腎不全、嘔吐

アイビー、フィロデンドロン、ディフェンバキア

すべての部分が有毒です。
痙攣や口内のかゆみを引き起こします。
症状：よだれ、気道閉塞、神経症状

リンゴ、アンズ、チェリー、桃、梅などのプラム系

種にシアン化物が含まれています。シアン化物は強い毒性を示します。
また果実の種が腸に詰って腸閉塞を起こす危険もあるので厳禁。
症状：不安行動、めまい、酸欠

上記以外にも、つつじ、イヌサフラン、ソテツ、カランコエ、ポトス等も有害です。

猫にあげてはいけない人間のもの

鎮痛剤、解熱剤、サプリメント

イブプロフェン、アセトアミノフェン等の鎮痛成分は、肝臓･腎臓障害を起こし、少量でも命に関わります。
サプリメントのアルファリポ酸も猫にとっては猛毒です。致死率高いです。

カフェイン

神経に異常をきたします。
症状：心不全、神経症状

チョコレート

カカオの成分が神経中枢を刺激します。カカオの量が多いほど危険です。
症状：嘔吐、痙攣、不整脈

アルコール

命に関わります。
症状：嘔吐、下痢、中枢神経系の抑制、昏睡、血圧低下、呼吸困難

キシリトール

少量でも嘔吐、下痢、肝不全、血糖値低下、歩行困難を起こし、 死亡する可能性もあると報告されています。

ミネラルウォーター

マグネシウムやミネラルが多いものは下部尿路疾患や下痢の原因になります。
まだ、他にもいろいろありますが、猫には猫用のフードを与えるのが一番安全です。
どうか、お気をつけください。

まとめ

いきなり全部を覚えるのは大変です。
おやつとして何かを与えたい、嗅っているから食べたいのかな？といった時には、一歩立ち止まって考えたり調べたりしましょう。

かわいいねこちゃんが苦しむ姿なんて誰も見たくないものです。