最近では、「地域猫」という考え方も生まれてきたことと、都市化が進み野山や雑木林が少なくなったことから、完全に自給自足で生きている野性味のある野良猫は少なくなってきていると思います。
人になつくことはなくても、微妙な距離感を保ちながら人間の行動範囲に入ってきて、何らかの形で人間からえさを貰って生活している野良猫が多いのではないでしょうか。
今回は、地域猫も含めて外で生活している猫たちのお食事事情を考えてみましょう。
地域猫たちのお食事事情
「地域猫」というのは、いわゆる一定の地域に住み地域のボランティアさんたちがお世話をし見守っている猫ちゃんたちです。
決まった飼い主さんがいるわけではないし、野良でもなく、飼い猫でもないのが地域猫ちゃんです。
最近では「さくら猫」とも言い、避妊去勢手術済みの地域猫は、片方の耳の先にV字型のカットがされています。
その耳の形が、桜の花びらのようなので「さくら猫」と呼ばれています。
食べ物以外も恵まれている環境
ボランティアさんたちはただえさをやるだけではなく、これ以上飼い主のいない猫が増えることや、病気が蔓延することを阻止するために避妊去勢手術を施し、予防接種等も行ったり、怪我をしていたり病気の猫の治療をしたりもしてくれます。
飼い主という定義には当てはまらないとは思いますが、外に住む猫たちを一代限りの命だからという事で、暖かく見守って下さっている方々。
(一代限りの命というのは、多くの地域猫たちは、避妊去勢手術を施されているからです。)
そんなボランティアさんたちに見守られている外猫たちは、おうちの猫ちゃんたちとほぼ変わらない食生活を送っていると思います。
多くのボランティアさんたちが、毎日決まった時間に、決まった場所で給餌をしていることが殆どです。
与えられるご飯も普通のキャットフードです。
外で生活する猫としては、一番良い食事事情だといえます。
野良猫たちのお食事事情
「地域猫」でも「さくら猫」でもない猫たち。
どうしても人間にはなつきたくなく、人間に近寄りたくもない、近寄ってきてくれないので、避妊去勢手術を実施することが難しいような猫たちです。
ほぼ自活のお食事事情
このような野良猫の数は、地域猫よりずっとたくさんいると思います。
都会の野良猫であれば、人間の目を盗んでごみをあさったり、緑が多い地域であれば、カエルやトカゲや昆虫、そして野鳥やねずみを捕食しているのではないかと思います。
あとは、人間がいなくなった隙に、地域猫たちのご飯の残りを食べたりでしょう。
どうしても生粋の野良猫は、なかなか人間に心を許してはくれません。
猫というのはとても気位の高い動物なのだと思います。
そんな野良猫は人間のところに行けばご飯がもらえるとは思っても、よほどではない限り人間の前には寄ってこないのかもしれません。
こんな出来事も
そんな事を証明するような出来事なのですが、筆者の家の庭にがりがりにやせた猫が入ってきたのでえさを置いたのですが、えさの近くまでやって来ても、筆者が見ている前では口をつけようとしませんでした。
見ていては食べないのであろうと思い、その場から離れしばらくして戻り見てみると、がつがつと食べていましたが私の存在に気が付くと一目散に去っていきました。
悪いことをしてしまったと思った記憶があります。
この猫も、どうしても人間の行動半径に入ってきてえさを貰うことが難しいタイプの猫だったのでしょう。
この時は、がりがりにやせてどうしようも無くお腹が空き、猫と猫の食べ物のにおいのする筆者の家にしかたなく来たのだと思います。
それから、数日夜だけえさを置いておいたら、食べに来ていたようですが、そのお礼なのか、ある朝、庭に瀕死の小さな蛇が置かれていました。
きっとあの野良ちゃんなりのお礼だったのではないかと思います。(笑)
人間に野山に捨てられた猫たちのお食事事情
とても悲しいことですが、わざと家から離れた山奥に猫を捨てていく人たちがいます。
動物を遺棄することは、犯罪です。
捨てたとしても、人が多くいる街中であれば、拾ってもらえることもあります。
人の少ない野山に捨てられたら、よほど生命力が強くなければ生きていけないでしょう。
そんな環境で生きている猫たちもいます。
筆者も人里離れ民家などぜんぜんない地域で、普通の猫を見かけたことがあります。
山猫?と思いましたが、体格も山猫より小さく毛色も家猫のものでした。
かなり劣悪なお食事事情
実はその地域には捨て猫が多く、生き延びた猫たちは野生化し、その地域の保護動物を捕食しているために生態系が狂うことが懸念されていると後から知りました。
県が捕獲器を仕掛け、捕まえた猫は地域の保護団体が引き取り、避妊去勢手術を施し里親を探してくれているそうです。
こういう猫たちは、その地域の野生動物を捕食し、水も、水溜りや沼の水を飲んで命をつないでいるのでしょう。
そのため、びっくりするような寄生虫が出ることも多いそうです。
外猫として生きることは簡単ではない
外猫の猫生は過酷で、人間に室内で飼われている猫の平均寿命が15~6年なのに対し、外猫の寿命は3~5年と言われています。
食事による栄養状態も大きく関係していることと思います。
外猫を増やしてしまうのは人間です。
飼ったら終生飼育、外に出すなら(出来れば出さない)避妊去勢、予防接種は必ず実施しましょう。
もっと地域猫という考えが浸透して、外にいる猫でも飢えたりすることなく健康を維持し、人間と穏やかに共生できる社会になれば良いですね。
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