動物写真家 岩合光昭ってどんな人?

岩合 光昭

見知らぬ外国の街を歩くネコの姿。テレビで見たこと、ありませんか?

ネコの目線になって後を追い掛ける様な内容だったら。もしかすると、たくさんのネコ好きの方もご覧になっている『岩合光昭の世界ネコ歩き』と言う番組かもしれません。

人だけでなく”ネコ”視聴率も高いと話題の番組、自ら撮影を行う世界的動物写真家・岩合光昭さんについてリサーチしてみました。

 

動物写真家として

動物写真家で父親の岩合徳光さんの助手としてガラパゴス諸島を訪れた際に、写真家を志したんだとか。

私たちにも親しみを持つネコなどの身近な動物から、世界各地に生息する野生動物まで幅広く様々な題材を取り上げながら活動を広げ、世界中の海を舞台に撮影し雑誌へ連載された『海からの手紙―岩合光昭写真集 (1981年)』が、1979年に第5回木村伊兵衛写真賞を受賞されました。この写真は1981年に写真集として発表されています。

後に発表した、自然界の生命の壮大なパノラマを収めた写真集『おきて』は英語版が15万部を超えるベストセラーとなりました。

『おきて』の撮影は、1982~1984年までの約1年半をアフリカはタンザニア、セレンゲティ国立公園に滞在して行われました。その生活はご夫人と娘さんが共に岩合さんを支えていたそうです。

ゆっくりと、しかし着実に名声を上げていった岩合さん。2000年代に入った頃から発表される写真集の中には、ネコを題材にした写真集も目立つようになっていきます。

ネコを中心とした動物の写真展は、全国各地で随時開催され、入場制限もなされる程の盛況ぶりです。ネコの写真家としても有名になっているのは、言わずもがなですね。

ネコ写真家として

東京で育った岩合さんですが、決して幼少の頃からネコや他の動物に囲まれていたわけではありません。

ネコと間近に接しその虜になったのは、高校生になってからといいます。

当時のお友達のお家で、手を伸せるほどの距離のネコに「すっごい動物だな!」と感想を抱き、可愛いという言葉だけでは言い表せない、圧倒的な存在感に感極まって、曰く涙を流してしまいそうなほど、ネコの”魔力”にハマったそうです。

高校生と言う多感な時期にネコと出会った事を始まりに、大学生の頃に飼っていたネコを写真に収め、改めて動物写真家としての道を志し、後に数々の素晴らしい作品を世に送り出してきた岩合さん。ネコ好きとなるには時間がかからなかったようですね。

現在地球上のさまざまな地域を渡り歩き活躍する一方、ネコの撮影は実に40年以上(!)、ライフワークとして続けているのです。ネコ好きとしてのただならぬ情熱を感じられます。

着飾らないネコ写真集は前途多難?

ネコの居る自然な風景を其の侭切り取ったような写真が絶賛される岩合さんですが、一番最初に発表したネコの写真集は、その当時は中々受け容れられなかったと言います。

当時のネコの写真で主流だったのは、バスケットに入ったペルシャネコやシャムネコが、カメラを目線に首を傾ぐ。可愛らしさを前面に押し出した写真でした。

街で出会った野良ネコが、ふと見せる「野生」にとても惹かれたと言う岩合さんは、野良ネコの写真を多く載せて出版されましたが、頂いた言葉の多くは、あまり聞こえの良い物では無かったようです。

当時の小洒落た写真集の中でも特に異彩を放っていた写真集ですが、野良ネコや着飾らない姿を題材にしていた点は今の”世界ネコ歩き”に通じる物が有りますね。

そして今、ありのままの姿のネコを映した写真集『ねこ』や『ねこ歩き』、『岩合光昭の世界ネコ歩き』は3冊の累計が20万部に迫る勢いです。

時代の変化と共に、ネコ本来の輝きを映す岩合さんの写真は多くの人に受け入れられています。

世界ネコ歩きの撮影者として

岩合光昭の世界ネコ歩き、この番組は2012年8月6日より放映されています。

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番組の最大の特徴は、撮影されるカメラの位置がとっても低く、画面に映るのは街を往く人の脚ばかり。そう、ネコの目線で撮影を行っていることなんですね。

番組の企画段階の時点で、岩合さんご本人の「ネコ目線で撮りたい」という希望が実現した形だといいます。
場所によって、椅子の上にいるネコ相手ならば椅子の上にカメラを置く様に、橋の欄干にいるネコが相手ならば橋の欄干にカメラを据えるように…と、徹底出来る場は徹底して撮影されています。

どんなな動物に対しても敬意を払う事を忘れない、岩合さんの誠実な姿勢が伝わってくるようです。
ネコの可愛い姿がより間近に、リアルな挙動を鮮明な映像で生き生きとして見れるメリットもあり、そこが番組の人気を博している重要な点でもあるでしょう。

番組撮影の好プレー、珍プレー

番組の撮影中の岩合さんは、矢張り間近から撮影を行うために地面に膝を突いて、或いは腰を落ち着けて、カメラを構えています。
ネコを驚かせない様に、見下ろさない様にと他の撮影スタッフの方々も同様に撮影を行っているとか。

ネコの目線で撮影をするため、見知らぬ土地でも地面に腰を落ち着ける。時には寝転がったりもする。中々出来る事ではありませんよね。
時折、街のネコを相手に警戒されない様に優しげな高い声を出し、ネコの様子を確り観察しながらも絶妙な間合いを取り撮影を続ける岩合さんの姿は、番組の中でも紹介されています。

ネコがみゃあと鳴けば、都度相槌を打つ姿はまるで会話をしているようで、ネコに癒されるはずが、撮影者である岩合さんにも心がほんわか癒やされるという声も上がっています。

今年で66歳になられるようですが、途中ネコに頭突きされてもカメラを確り構え、例え胡坐を寝所にされようとも怯みません。それどころか、ネコの動きを邪魔しないように、じっとして動かずにいられる集中力は、プロカメラマンとしての鏡ですね。

沖縄撮影中、岩合さんを気に入った仔ネコが頭のてっぺんに登っても微動だにせず撮影を続けている様子は、まさに”傑作もの”でした。

人だけでなくネコも夢中に

ネコを飼っている方が世界ネコ歩きを見ている途中、ふらふら~と飼いネコがテレビに近付いた、と思ったら、テレビ画面にへばりつくように前脚を伸ばしたり、ネコの姿を眼で追い掛けたり、画面の中のネコが鳴けば同じようににゃあにゃあ鳴いたり。
中には犬も夢中になったりするのだとか。

なぜそんなに人気なの?

そんなネコの視聴率も高い世界ネコ歩き、なぜこのように人気なのか?

獣医師の方によりますと、やはり「ネコ目線」であることが彼らを惹きつけるのではないかと解説されています。
見慣れた景色が鮮明に映された画面、なるほど興味も抱きますよね。

さらに、ネコの好きな場所(高台や高い橋の上、見晴らしのいい風景)が頻繁に映る、ネコ同士の恋や縄張り争いなどちょっとしたストーリー仕立てになっているのも、ネコが なんだろう? と気になる要因なのでしょう。

岩合さんの強いこだわりと技術が、人だけでなくネコをも楽しませているのです。

人はもちろん、ネコさえも虜にする動物写真家・岩合光昭さん。

もしネコの写真集や、番組をふと見かけた際には、笑顔を浮かべて撮影を行う岩合光昭さんにも注目してみてくださいね。

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