猫のひげにはどんな役割がある?

猫のひげ

ヒゲは全部で9か所にある

眉・頬骨・口の端・唇の上・あごの下

唇の上に付いているヒゲが一番目立つので、そこだけにヒゲが生えている印象を受けますが、実は他の部分にもついています。

それが眉毛・頬骨・口の端・唇の上など、それぞれ2か所ずつあり小計8か所、これらにあごの下のヒゲが加わり合計9か所にのぼります。

顔全体にバランス良く生えている猫のヒゲ、これにはどのような役割があるのでしょうか?

 

主なヒゲの役割は4つ

距離を測るセンサー

ヒゲの根元、毛根の部分は分泌液で満たされた状態となっており、そこには多数の神経が集中しています。

そのため、ヒゲの先端が何らかの障害物(壁など)に触れるとすぐに反応でき、体をぶつけることなく、狭い通路を颯爽とくぐり抜けることが可能です。

止まるメジャー

もし反応できなければ、体がそのまま障害物に当たってしまい、ケガをする可能性も。

また、獲物を追っているときはヒゲが前のめりに展開し、獲物が逃げようとしたときヒゲの先端に触れればすぐに分かるので、素早く攻撃を加えることができます。

このように猫のヒゲは対象との距離感をつかむのに大事な役割を果たしています。

風向きや風の流れを掴むセンサー

風

その繊細なヒゲに風が当たることで、どこから風が吹いてくるのか察知することができます。

例えば、戸を開けたときに生じる風圧、窓辺の風、自分よりも大きな生き物が迫って来るときに感じる風など、敏感に反応することができます。

風の方角が分かることで、どちらの方向に逃げたらいいのか、瞬時に判断するのに役立ちます。

また、獲物がちょろちょろと動き回って出す風の流れもキャッチすることができ、追跡する手助けにもなります。

湿度を測るセンサー

ヒゲには湿度計としての役割も存在します。

低気圧が近づいて湿気が高まってくると、猫のヒゲは水分を吸ってダランと張りがなくなります。
張りがなくなればヒゲの機能は半減し、生活する上で支障が出ます。

猫はそれを防ぐため顔とヒゲを丹念に洗い整え、張りを失わないよう努めます。
ヒゲが湿気を吸ってダランとなることによって察知できるものなので、ヒゲがまさに湿度計としての機能を果たしてるんです。

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昔ながらの言い伝えで、『猫が顔を洗えば雨が降る』というものがありますが、これはまさにその通りで、猫の様子を注意深く見ることができた昔の人の観察眼が偲ばれます。

 

気持ちを表す手段

ヒゲは猫の気持ち、その時々の感情を表すものとしても機能します。

猫が何らかの対象に“興味津々”のときは、ヒゲが前に向く形となります。

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その反対に後ろを向くとき、それは猫が自分より強いものの気迫に押されて恐ろしく感じたり、急なことでびっくりして慌てたりしたときになります。

それとは違い、安心できるところ、日向ぼっこなど気持ちの良い場所でリラックスしてくつろいだ気持ちでいるとき、ヒゲは下に向きます。

そして、嬉しいこと楽しいことがあって気分が上向いているとき、機嫌がいいときには上を向くのです。

愛猫はこのとき、飼い主と遊んだりスキンシップを求めたりしてくるかもしれません。
ヒゲに加え尻尾も上向きに真っ直ぐ立っていたら、非常に気分が良い証拠なので、喜んで遊んであげたり、撫でてあげたりしましょう。

 

繊細なヒゲにいたずらはNG

ヒゲを切ってはいけない

よく面白半分で猫のヒゲを切るなどの発言をする大人や子どもがいます。
冗談ならよいのですが、子どもなら本当にやってしまうかもしれません。

そうさせないように、理由を説明しましょう。
ヒゲを切られてしまったら、猫は自信がなくすことがあるのです。
移動したり、飛び移ったりができなくなり、部屋の片隅でショボンと落ち込んだまま、その場からあまり動けなくなってしまうことも。

また、毛根の部分にはたくさんの神経が集中しているので、痛みを感じるため絶対に切らないようにし、むやみやたらと触れないようにしましょう。

 

ヒゲがたくさん抜けた場合は要注意

ストレスを疑ってかかる

猫も人間と同様に、ストレスが溜まります。

飼い主にかまってもらえなかったり、犬に追いかけられたりなどの恐怖を体験することで、だんだんとストレスが溜まっていきます。

そうすると白血球が少なくなり、それが免疫力の低下となってあらわれ、顔の毛穴に住んでいるといわれる“ニキビダニ”が皮膚炎を起こし、抜け毛につながることがあります。

健康体では問題がなくても、免疫が弱まれば発症します。
それを防ぐためには、愛猫へのスキンシップをきちんと行い、ストレス原因を取り除きましょう。

病気を疑ってみる

病気が原因で免疫力の低下を招く場合もあります。

それは腎臓機能の不全、猫特有の白血病やエイズなどに感染したとき。
死の危険がある病気であり、皮膚炎も併発し、ヒゲが抜け落ちます。

速やかに動物病院へと連れて行き、獣医師の診察を受けましょう。

抜けたヒゲの本数が少ない場合

気にする必要はありません。自然な生え変わりです。

子猫から成猫へと成長する過程や単なる換毛期(5月~7月頃)で、体毛と一緒にヒゲも抜けることがあります。それが1本や2本の場合は、自然なことなので心配いりません。

 

いかがでしたか?

人間のヒゲとはちがってたくさんの役割があること知っていただけましたでしょうか?
ピーン!と張ったヒゲは猫ちゃんのかわいさの一つですが、ちゃんと役割を知って病気を未然に防いだり、気持ちを察してあげたりできたらいいですね!

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